お知らせ:本日は激しい雨のため休園いたしますが、facebookで園長日記やってます。シャクヤク5万株も楽しみになってきました
Tree versus stem peony - Botan versus Shakuyaku
March 23, 2017 4 Comments

花のお話-牡丹とシャクヤク

牡丹-木の花

種: 牡丹属牡丹科牡丹

牡丹は木に咲く花です。牡丹の木には幹があり、枝が分かれ花を咲かせます。幹は太く、葉の先端が分かれています。また、蕾に先端が尖っています。

Tree variety of peony

牡丹(ぼたん)の語源は中国語の「牡丹」を日本語読みしたことがはじまりだとされています。日本では古くから気品、優雅、そして恥じらいを表す花と言われています。

ちなみに、牡丹の祖国、中国では牡丹は「百花の王」、「神の花」と称され、華麗で優雅な花とされています。

英語表記: peony(ピオニー)

 

シャクヤク-草の花

種: 牡丹科牡丹属芍薬

牡丹と違い、シャクヤクは草の部類に入ります。幹は細く、葉の先端も分かれていません。また、蕾は丸みを帯びています。シャクヤクは枝が分かれておらず、一本の幹に一つの花が咲きます。

Shakuyaku - Stem peony

シャクヤクの語源は中国語の「芍薬」を日本語読みしたことが始まりとされています。ただし、使われる漢字については諸説あるそうです。日本では古くから恥じらい、内気、清楚を表す花とされています。

英語表記: peony(ピオニー)

 

開花の季節を迎えると牡丹、シャクヤクと約250種類の花を咲かせます。その中には花職人の関さんが育てた、まだ名前のついていない花もあります。名づけの親を募集するイベントを行うこともありますのでぜひチェックしてみてください。

products from peonies
February 20, 2017 No Comments

薬のお話-生薬としての牡丹とシャクヤク

生薬としての牡丹とシャクヤク

牡丹とシャクヤクは見る者を魅了する美しい花ですが、その一方で古くから漢方の原料としても使用されていることをご存知でしょうか。漢方とは5~6世紀頃古代中国から伝来した中国医学を基に日本国内の風地気候、そして日本人の体質や生き方に合わせて進化を遂げた医学です。様々な作用を持った植物や動物、鉱物等、天然の素材を複数組み合わせ、体のバランスを整えたり、巡らすといった考え方が基礎となっています。

「痛みを取る」、「細菌を殺す」など一つの症状や病気に対して強い効果を持っている西洋薬と違い、漢方薬は1剤に複数の有効成分が含まれているため、多様な症状に効くのが大きな特徴です。牡丹とシャクヤクは婦人病の漢方には欠かせない重要な生薬です。「当帰芍薬散」や「芍薬甘草湯」など婦人科系の漢方薬に多く含まれています。また、風邪薬の「葛根湯」や「養命酒」にもシャクヤクが生薬として使用されています。

peony benefits

牡丹・シャクヤク:それぞれの効能

牡丹を漢方の原料として使用する場合、「牡丹皮」(ボタンピ)と言う牡丹の根皮を使用します。主要成分はモノテルペン配糖体やフェノール類で血液の循環を促進する働きがあります。主な配合漢方約は「大黄牡丹皮湯」(ダイオウボタンピトウ)や「八味地黄丸」(ハチシジオウゼン)などがあります。

一方で、シャクヤクを漢方の原料として使用する場合、シャクヤクの根の部分を使います。主成分は牡丹と同様でモノテルペン配糖体等で、腹痛や頭痛を緩和する働きがあります。主な配合漢方薬は「黄耆建中湯」(オウギケンチュウトウ)や「桂枝加芍薬湯」(ケイシカシャクヤクトウ)などがあります。

 

西洋医学における研究

近年、ヨーロッパやアメリカで牡丹やシャクヤクの効能についての研究が続けられていますが、有効な成分が多く含まれていることが科学的研究から見えてきました。Die Pharmazie誌の2010年8月号で発表された研究によると、牡丹とシャクヤクには止血や血小板の生成に有効なペオニフロリン、カテキン、ガロイルペオニフロリンやパペノールなどの成分が含まれていることが分かってきました。これらの成分は血液の循環を促進すると共に循環器系の病気の予防としても使われることが期待されます。

また、Archives of Pharmacal Research誌の2010年6月号では、牡丹とシャクヤクの成分の一つであるペオニフロリンの酸化防止作用と肝臓に与える影響についての研究について発表されています。その成分は肝臓を炎症から守る働きがあったことが分かっています。また、ミシガン大学のヘルスシステム部では、牡丹とシャクヤクが将来、肝硬変や肝炎の治療に使用されるのではないかと期待しています。

このように、西洋医学の分野においても科学的な根拠に基づく医学として牡丹やシャクヤクなどの効能が認められてきています。

Dr. Seki's Amazing Soil
January 22, 2017 No Comments

土のお話-殺虫剤を使わず土を耕す

草生栽培-除草剤や殺虫剤を使わず、無農薬で牡丹とシャクヤクを育てる

Peony Garden Tokyo(つくば牡丹園)では草生栽培と呼ばれる農法を使って牡丹やシャクヤクを育てています。これは、従来雑草として牡丹やシャクヤクの栽培に不要とされていた草を駆除せず、共生させることで牡丹やシャクヤクを害虫から守る農法です。この農法のおかげでつくば牡丹園では除草剤や殺虫剤を使用せずに植物を育てることができています。

それでは、牡丹やシャクヤクが雑草と育つことと無農薬であることの関係性ももう少し詳しく見て行きたいと思います。ただ、その前に殺虫剤と除草剤の役割についても簡単にご説明します。

殺虫剤

殺虫剤の役割は植物に害をなす虫やカビなどを駆除することです。人類は紀元前2000年頃から殺虫剤を使用していますが、ほとんどが自然界から抽出された成分でした。人工的な殺虫剤の歴史は意外にも浅く、初めて使用されたのは1940年代でした。

除草剤

除草剤は雑草や不要な植物を駆除する薬剤です。近年の農法では幅広く使用されていましたが、その存在が世間に公表されたのは1940年代に入ってからでした。

つくば牡丹園-ここがすごい

つくば牡丹園は除草剤や殺虫剤を使用しない自然と共に生きる庭園です。中にはそのような農法は無意味だと言ったり、努力の価値がないと言う人もいますが、花職人の関さんは無農薬農法の可能性を信じ、その繊細なバランスを理解することに人生をかけてきました。

#1: NO除草剤

つくば牡丹園では除草剤を使う代わりに雑草の力を借りる、草生栽培で牡丹やシャクヤクを育てています。1997年に除草剤の使用をやめましたが、すぐに除草剤が不要なことが分かりました。除草剤は牡丹やシャクヤクの成長に少なからず影響を与えます。除草剤の使用をやめた結果、健康的な牡丹やシャクヤクが育つようになりました。

#2: NO殺虫剤

次に、殺虫剤を使用せずに害虫から牡丹やシャクヤクを守る方法をお教えしましょう。その秘密はずばり雑草です。害虫にとって一番の天敵はなんと雑草だったのです。

従来の農法では除草剤を使用し、外注の天敵となる雑草を駆除することに一生懸命でした。雑草と害虫の因果関係が分からず、殺虫剤の使用は回避できないと考えられていましたが、必ずしもそうではないのです。

Amazing soil - Organic Farming With No Pesticides

つくば牡丹園では牡丹やシャクヤクと雑草を共存させることで花々を害虫から守っています。無農薬農法にとって共存はとても大切なことなのです。

時には牡丹やシャクヤクと雑草で水分やミネラル成分の取り合いが発生します。つくば牡丹園では雑草を刈るタイミングや頻度を調整しながらこの争いをコントロールしています。

ただ、やはり無農薬農法は難しく、時として失敗することもあります。牡丹やシャクヤクが水分と栄養素の争いに負けることもありますし、害虫も襲ってきます。雑草を刈るタイミングや頻度を調整するには日々の観察も重要ですし、長い年月をかけて得る経験と知識も必要となってきます。

草生栽培を続けるには手がける人の献身的に関わっていく必要があります。

草生栽培のこと、無農薬農法のこと。つくば牡丹園で花職人の関さんの話を聞いてみませんか?ご自宅で除草剤や殺虫剤を使用せずにガーデニングを行うヒントになるかもしれません。